ドレスデンから南へＳバーンでわずか10分。フライタール（正式にはFreital Hainsberg)という駅から南へ向かう蒸気鉄道である。本来の終点は26.3キロ先のクアオルト・キップスドルフ(Kurort Kipsdorf)であるが'09年６月現在ほぼ中間の15.0キロ地点にあるディッポルディスヴァルト(Dippoldiswalde)が暫定的な終点になっている。
　'02年８月にドレスデン地方を襲った大洪水で壊滅的な被害を受け再起が危ぶまれていたが、幸いなことに復活し'08年12月に取りあえず中間まで開通した。その先は引き続き復旧工事中である。
　'02年の洪水は半端ではなくドレスデン市街全体が水に浸かるほどのものだったが、その水を運んだがこの鉄道の横を流れるヴァイセリッツ川。奥入瀬や箕面とさして変わらない小さな渓流で、鉄道は7〜8キロの間その谷底を流れに沿って走っている。公式ホームページ

　かつてはＤＲ（東独国鉄）の狭軌支線だったが、現在は民営化されフィフテルベルク鉄道、レスニッツグルント鉄道とともにＳＤＧ（ザクセン蒸気鉄道会社）の一部になっている。
　暫定開通中であるが通年運行しており、社名どおりすべて蒸機の客車列車。一日６往復、片道所要45分である。

　穏やかな渓流に沿って走る鉄道であるが、復旧した路盤はコンクリートで固められている。自然石を積んだように見える法面は日本ならコンクリートブロックむき出しにしてしまうだろう。

景観に配慮して復旧された石積みの法面と屋根つきの橋。