　実は３年前に一度この計画があり台北までの航空券も手配していたが、コロナのために飛行機が欠航になり旅行を中止した。このときはLCCのピーチエアーを予約していたが、航空会社の都合による解約にもかかわらず全額は戻らず、返戻もピーチのポイントというひどいものだった。もっともこのときの航空券代は28,700円と格安だった。
　それで今回は中華航空にしたのだがなんと59,000円と大幅アップ(コロナ後の値上がりが半端じゃない)。内訳をよく見ると運賃は34,000円とまずまずで燃油サーチャージが18,000円とその他諸々だった。

　金門、馬祖といえば中国大陸の目と鼻の先にありながら台湾領という不自然な位置関係にある離島。蒋介石が台湾に逃げ込む際にに足がかりにした島で1979年まで大陸側の人民解放軍との間で砲撃戦が続いたという。
　中でも金門島は大陸側の大都市厦門(アモイ)と数キロしか離れておらず、平和な日常を取り戻した現在ではフェリーが頻繁に往復している。飛び交っていた砲弾の破片を加工した包丁が島の特産であるという、そんな金門島の戦跡を見たくて以前から１度行ってみたかった。

対岸アモイの高層ビル群が間近に見える海岸、斜めの杭は舟艇上陸阻止のバリケード

　遠い昔に戦争があったのどかな島の戦跡巡りに行くのかと思ったらそうではなかった。島の住民は大陸中国に好意的（何かと便利だから）のようだが、それだからこそ中華民国台湾としては住民に危機意識を持たせるのに躍起になっている。そうとしか考えられないモニュメントや博物館がいくつもあり、島のあちこちで見られる戦意高揚スローガンは決してこの島が平和を約束された島ではないことを物語っているのだった。