第三日　11月23日

　建興村の朝、手元の温度計はマイナス18度を指しているが村人たちはもう働きはじめている。風がないためか息苦しいほどの冷たさはなくマスクもいらない。あと一ヶ月もするとマイナス30度になるという。
　不思議なことに吐く息があまり白くならない。それでもカメラの液晶画面に息がかかるとあっというまに霜が付き氷の膜が張る。
　時々カメラのシャッターが切れなくなるが撮影に支障があるほどではなかった。もっとも心配したバッテリーの性能低下はまったく問題なかった。

広い道の両側に一見みすぼらしい店舗が並んでいる。

　道路に面してこんな店が並んでいる。のぞいたわけではないが、一歩中に入れば外観とは大違いの結構快適な光景が広がっているに違いない。

超市分店とある、スーパーマーケットの支店だ。

ここは美容院、だと思う。

出発準備中の列車も凍りつくようだ。

出勤途上の人たち。

立派な建興駅の建物。

　駅へ続く村のメインストリートはすっかり凍てついている。まだ朝の7時、日没が早いせいか、寒くても人々が動き出すのは早い。
　トラクターのむき出しのトレーラーに15人ほど乗り込んで走り出した。おそらく山の伐採現場へ向かうのだろうチェーンソーもあった。
　この街並を見て昔見た北海道の駅前通りを思い出した。

駅まで木材を運ぶトラクターと薪をソリで運ぶ村人。

山仕事に向かう人たち。