ドレスデンから南西方向へ約80キロ、チェコ国境線に沿うようにして走る延長17.4キロの鉄道である。起点のクランザール(Cranzahl)は非電化ローカル線の駅で次は国境駅、そこはもうチェコ領内。１時間ごとにやってくるのは新型レールバス、チェコ内陸部まで直通する国際列車は一日２本しかない。アウトバーンからも離れており、かなり訪問しづらい鉄道である。
　国境の山岳地帯に位置しクランザールの標高が654メートル終点のオーバービーゼンタール(Oberwiesenthal)は893メートルあってスキーリゾートである。公式ホームページ

調査作図：同行ＫＩ氏

　ＳＤＧになった旧ＤＲの狭軌鉄道はどこも全列車蒸機で通年運行しているのは嬉しい限りである。ただ使われている機関車は大型の1-Ｅ-1タイプで自重44トンもある。
　ドイツ帝国鉄道時代の1930年代に製造されたものであるが、現在稼働中のものはすべて新製ボイラに交換されている。また一部は戦後の1950年代に新造された機関車だという。
（ベルリン在住ＹＫ氏の情報）

バック運転でクランザールへ戻ってきた上り列車。

　かつてはＤＲ(東独国鉄)の狭軌支線だったが現在は民営化されていて、ドレスデン近郊の２鉄道とともにＳＤＧ(ザクセン蒸気鉄道会社)の一部になっている。

クランザール駅、手前のレールは貨物側線でホームは駅舎の裏側にある。

ＤＢの列車は２両固定編成の新型レールバス。

右側の斜線部がチェコ、途中から国境線に沿って走る。