エイグル

谷の向こうのル・セペ駅から戻ってきた電車。この電車に再び乗車して終点まで行った。

　ＡＳＤ沿線中ほどの唯一の集落がル・セペである。エイグルからGrande Eauという深い谷の左岸を上がってきた電車は、谷の向こうにあるル・セペの村へ一旦立ち寄る。　
　ここLes Planchesの分岐点を左折して深い谷を道路併用橋で渡り、500mほどさきのル・セペ駅まで往復する。所要時間は片道2分。あっという間に折り返して6分後にまた戻ってくる。
　日本にも越後交通や仙北鉄道にこういうスイッチバック駅があった。わずかな距離であり普通なら「ル・セペぐち」とかの駅をここに作っておしまいにするところだ。

ル・セペの折返しでは2分停車するだけ、運転手に急かされながらカメラを向ける

　帰りの電車では、ここで途中下車せずル・セペ駅まで乗ってみた。まわりにわずかばかりの民家が固まっているだけの小さな行止まり駅だった。
　ル・セペで乗降客はなく、運転手が車両を移動するほんの僅かな時間しか停車しない。大慌てで構内写真を一枚撮るのがやっとだった。

　エイグルからこの電車に乗ってきた私たちは、6分後にル・セペから戻ってきた電車に再び乗ってディアブルレへ向かった。
　ここは無人の停留所、カメラを構えている間に運転手が手を振りながら通過してしまう恐れがあるので、前もって身振り手振りで頼んでおいた。
　ダイヤの都合か一日２回だけ、ル・セペへ寄らない電車がある。たかだか500mの距離だが、きっちり代行バスで連絡している。バスでもやっぱり2分だ。