引返す回送列車も追いかける

　チンダリア駅の構内から１時間近くも眼下を眺め続けようやく列車が見えなくなった。もう４時だ、あわてて迂回路経由で追跡を開始した。列車がどのあたりを走っているのか分からないままラントン近くまで下りてしまった。
　ラントン駅の少し上にある給水ポイントまで来て列車を待ち受けることにした。時刻はすでに午後４時半で薄暗くなりかけた。
　ラントンまで下りたのでそのままもう30分、スクナまで走ったら真っ暗で写真どころではなくなった。今晩のホテルは山上のカルシャンなのでもう一度山を駆け上がる。

　チャーターした列車はガヤバリで機関車を付け替えると折り返し回送列車としててシリグリへ戻って行く。
　回送列車を見逃す手はないが昼食を摂っている暇がない。
　

チンダリア駅に到着。

制動手がブレーキを緩めて発車。

　約30分の乗車でチンダリアに到着、ここから再び列車追跡だが迂回路に入ってしまう。
　駅の真下に線路が見えるのでしばらくここで列車が下って行くのを眺めることにした。

夕暮れの近づく中を列車はラントンの給水ポイント近くまで下りてきた。

第３スイッチバックの全景。右にやがて行止りなる上段線、列車が通過中の中段線、その左下に下段線もわずかに見える。

列車は間もなく第３スイッチバックの上段線にかかる。左端に中段線の線路が見える。

チンダリアの駅舎。

チンダリアを発車したあと西のヘアピンカーブを回って駅の真下にやって来た列車。

　チンダリア駅から西へ向かいヘアピンカーブを回ってきた列車は、駅の直下を通過(上の写真)してさらに東へ進み、チンダリア工場の周囲を回ったあともう一度眼下に姿を見せる。
　その列車が遠ざかって行くのが左の光景で、ここは第３スイッチバックの手前である。道路脇の家並みの裏にスイッチバックの中段線が見える。
　下は同じ場所の少し先で、列車は中段線を推進運転でバックしている。家並の裏の中段線のさらに下に下段線の線路も見えていて、左へカーブしながら森へ消えていく。

バイクで追走している青年が見守る中、第４スイッチバックを列車の中から見る。

　ガイドが手配してくれたランチボックスはサンドイッチ、甘い菓子パン、バナナ、オレンジジュースとボリュームたっぷりで食べきれない。
　汽車弁で至福の時を過ごしている間にいつの間にか復旧区間を通り過ぎてしまった。

　それで次のチンダリアまで客車に乗せてもらい、車中で弁当をいただこうという算段になった、Ｋリーダーの発案である。
　運転士は便乗をＯＫしてくれたものの延長運転もあってか、用意していたチップにかなり上乗せを要求されたらしい。チップといっても機関車と客車に乗った職員10人分である。旅行社の話と違うといってリーダーはプリプリだった。

シリグリへ戻る回送列車にチンダリアまで便乗させてもらうことにした。