銀山温泉と尾花沢

　松尾芭蕉は奥の細道紀行の途中、ここ尾花沢で鈴木清風という豪商の家で10泊するという長逗留をした。
　清風は特産品の紅花を扱う商家の人で、芭蕉の門人というわけではなかったらしい。よほど気が合ったと見える。
　清風邸跡のすぐそばに芭蕉清風歴史資料館がある。清風の旧居を移築したのかと思ったらそうではなく、別の大商家の建物だった。

　銀山温泉の最寄駅は新幹線も停車する大石田駅であるが、もう少し近くに尾花沢の町がある。昔は大石田から尾花沢鉄道(のち山形交通線)がここまで伸びていた。
　鉄道廃止後は駅の跡にダイエーができたがそれも撤退し、現在は地場資本のスーパーになっている。
　地図にはバスターミナルと表示されているので、スーパーと同居するバスターミナルがあるかと思ったら、軒先を借りたバス停があるだけだった。

鈴木家とは別の商家だというが外観は思ったより質素だ。

芭蕉が滞在した鈴木清風邸跡の碑。すぐそばに芭蕉清風歴史資料館がある。

　メインストリートを花笠通りといい、セブンイレブンの前に古めかしい洋館がある。
　すぐ隣に真新しい銀行があるのでその旧店舗かと思ったが違ってた。
　もとは医院だったが院長が亡くなって廃業、お婆さんが一人で住んでいたが今は無人の廃屋だそうな。

名ばかりのバスターミナルを後にする山形交通のバス。

メインストリートには花笠通りという名前がついている。