ibbstal

　ウイーンとリンツの中間あたりにイップスタールバーンという狭軌鉄道があった。今(2022年)からちょうど30年前にその鉄道を見たが、そこで目にしたのは凸型の古いディーゼル機関車が数両の２軸客車を牽くのどかな軽便鉄道だった。マリアッツェル鉄道を見に行った翌日のことである。

　イップスタール鉄道(Ibbstalbahn)はオーストリア国鉄の760ミリ狭軌線で東西幹線のアムステッテンが最寄駅、そこから支線に乗換えて30分の小さな街が起点である。
　路線は南へ大きく迂回しながら東へ向かい、終点でも標準軌の国鉄線に接続していた。延長71キロの長大な鉄道だったが、当時定期運行していたのは53キロ地点まででその先は既に不定期運行の保存鉄道になっていた。本線のほかに5.7キロの短い支線もあった。
　現在は大幅に短縮されわずか3.1キロの区間だけが残され、地域交通として気動車による細々とした運行が続けられている。詳細は地図と鉄道のブログが分かりやすい。