塔の高さは28メートル、上のブロンズ像は8メートル。

聖母マリアが待っていたという伝説の洞窟内部。

洞窟の上に立つ高い塔。

　教会の外に出るとちいさな洞穴(天然のものだと思われる)に小さな人形の置かれたディスプレイがあった。

「私たちの待つ聖母マリア教会」という教会

　次にサイダの街を見下ろす丘の上にある教会へ。ギリシャカトリック教会ということでギリシャ正教とも違うらしいが祭壇にも十字架のキリストの像はない。イエスがシドン(サイダ)の街で宣教中聖母マリアがここの洞窟で待っていたという伝説があり、「私たちの待つ聖母マリア教会(Our lady of Awaiting church)」という。
　すぐそばにその洞窟があり、内部は礼拝堂になっている。イスラム支配下にあった時代は迫害を受けたキリスト教徒たちによって洞窟は塞がれていたが、1721年になって偶然発見されたという。

教会の裏へ回ると眼下にサイダの市街地が広がっていた。街の向こうは地中海である。

側面から見た教会。

この像も女性だからマリアに違いない。

イエスの誕生を祝福する東方の三博士だろうか。

　聖母子のブロンズ像が立つ高い塔の下が洞窟の礼拝堂。ここで聖母マリアがイエスを待っていたという。迫害を受け長い間隠されていたという。

　ふり返って入口の上を見ると新しい時代の人物肖像画。髭を蓄えたギリシャ正教風の風貌の人たち。この宗派の聖人だろうか。

祭壇側から振り返って見る。

左右の側面に描かれているのはイエスの生涯から磔刑のあと昇天してキリストになる様子。

　祭壇の左右に架かる絵はキリストと聖母子、これもギリシャ正教のイコンの一種なのかもしれない。

　ステンドグラスを見ると左上は明らかにアダムとイブのエデン追放場面。下段はガリラヤ湖畔で説教するイエスを現しているのか。

左右に分かれたこのモザイク画はマリアに対する受胎告知の場面だろうか。

祭壇正面に十字架はなく、頭上にあるのはマリア。

　聖堂の内部は正面、左右、後部に背景が金色のイエスの生涯をモチーフにしたモザイク画がずらりと並ぶ。祭壇上部には最後の晩餐も描かれている。

丘の上の広場に面して立つ大きな教会。

大聖堂である。建築年代は古くないがロマネスク様式というのか。