列車は前後に機関車を付けたまま発車したのか後の機関車は駅に置いてきたのか。次の駅に機関庫があるのでそこまで一緒に戻ったのだろうか。

　前夜の宿泊地リンツを早朝に発ち、7:39にOeBB（オーストリア国鉄）のザンクトぺルテン駅に着いた。めざすマリアッツェル鉄道が発着するホームは西の端、標準軌の支線ホームの横にあった。
　乗車予定の列車が特徴的な電機を先頭にして入線してきた。客車４両を挟んで前後に機関車が付いている。

始発駅はザンクトぺルテン

　終点まで行く余裕はないので途中のラーベンシュタインで折り返すことにした。ここまで25キロ、乗車時間は45分で9時15分に着いた。
　ここで目にしたのが標準軌の貨車をロールワーゲンという台車に載せてそのまま運ぶ貨物列車。貨客混合列車のように見えるが客車に乗っているのは作業員だけで、みな窓を開けて外を眺めている。この貨車はホッパー車のようなので線路敷きの砂利でも運んでいたのかもしれない。
　すでに狭軌貨車編成による貨物輸送は終わっていたようだが、いくつかの駅構内で留置中の貨車を見た。まだロールワーゲンによる標準軌の貨車輸送は続いていたようで、有蓋貨車やタンク車を数両運ぶ貨物編成も目にした。
　ラーベンシュタインには1時間ばかりいて上下列車を１本ずつ見送ったあと10:39のザンクトぺルテンへ戻る列車に乗った。

　発車時刻は8：30発だったとメモに記録しているが、ホームの電光掲示は8：13で隣の時計は8時18分を差している。どういうことなのか今となっては謎のままである。